社内報のキソ

社内報のキソ

3-1.目的を考え続ける

社内報は、会社のお金を使って作成するものであり、遊びで作るものではありません。社内報が必要な理由を常に考え続け、会社に成果を出さなければいけません。この記事では、社内報の目的を考え続ける上で必要になる視点・ポイントを紹介します。

発行目的の意義

「なぜこの社内報を発行するのか。」社内報の発行目的をすぐ答えることはできますか?

 

企業は成長していく過程で人数や組織が増えると、コミュニケーションや企業運営に何かしらの課題が発生してしまいます。その課題を解決する一つの手段が「社内報」です。そして読者である社員に何を伝え、どう行動してもらいたいのかを設計したものが「発行目的」になります。つまり、「社員に伝えたいこと、変わってほしいこと」です。

 

発行目的は社内報作成の軸となり、どのような企画や見せ方をするのか、後工程が全て決まります。また、社内報編集に携わる全ての人の原動力、やりがいにつながります。そのため、発行目的を決めることは非常に重要です。

 

社内報コンサルタントからのワンポイントアドバイス

企業によって「課題」が何なのかは異なり、一つの企業であっても企業の置かれている状況やタイミングによって「課題」は変化し続けます。そのため「社内報」の目的や役割は変化し続けていきます。その都度、発行目的を見直すことが大事になります。

発行目的をしっかりと定めることは、建設的な議論や協力者をはじめとする社内報製作者全員で同じ方針で作成に取り組めるなど、好影響を及ぼします。

実際に寄せられた発行目的の確立による好結果の声を紹介します。

 

■リニューアルの際、役員へのプレゼンテーションにて、発行目的を伝えたことで、社内報の重要性を納得いただくことができました。発行目的に基づいて必要性をしっかりと説くことで、役員からの建設的な意見を頂くことができ、これまでの「つまらない社内報」から、大きくリニューアルすることができました。

 

■関係部門への取材依頼の時には、必ず発行目的を伝えるオリエンテーションから始めています。取材協力者や間接部門の社員も目的が伝わるとその目的実現に向けて準備をしてくれ、多少大変な企画でも快く協力してくれます。

 

このように発行目的を決めると、関係者の協力を得やすくなり、社内報制作もスムーズになります。

 

また社内報担当者様にとっても、発行目的をしっかり見据えて仕事をすることで、企画や取材、稟議などが単なる「作業」ではなくなり、やりがいやモチベーションに繋がります。

発行目的基本パターンと事例

ここでは、発行目的のいくつかの事例を紹介します。

〈他社事例〉

 

例1:メーカーA社

《発行目的》

1、グループの一体感醸成

2、若手社員の自社への誇りや帰属意識を高める

 

《発行目的の背景》

就職人気企業ランキングでは常に上位のブランドを持っているが、実は離職率が高いという課題があった。業界や仕事に憧れて入ったはずが、実際は機械に向き合う日々。お客様や仕事の全体像が見えず、仕事の意義や目的を見失ってしまう若手社員が多かった。そんな若手社員にむけて、「自社の情報を毎月届けて、自社で働く意義を知ってもらい、自社を好きになってほしい」という想いを込めて発行目的を策定。

 

《編集方針》

1、タブロイド版で発行し、社内報で一般的なA4サイズより大きな誌面に。図解やイラストをふんだんに使い、より若手社員に読みたいと思ってもらえる誌面作りの工夫をする。

2、事業やイベントを取り上げる際に、必ずその重要性を伝えて、自社が目指している未来や成し遂げようとしているビジョンまでつなげる。

3、毎月発行することで社員にタイムリーに情報を届ける。

 

例2:小売B社

《発行目的》

1、全社員への最新方針の迅速な提供

2、社員一人一人の自主的な行動のきっかけづくり

 

《発行目的の背景》

創業者が退任して間もない状況で掲げた発行目的。これまでは絶対的カリスマである創業者が会社のかじ取りを担っていたが、退任後は社員一人一人が自立して、行動していくことが求められている。そのため、社員一人一人が自主的に自社らしさを考えるきっかけとなる社内報を目指した。

 

《編集方針》

1、毎月発行することで社員にタイムリーに情報を届ける。

2、社員一人一人の行動につながるように、取材や座談会など社員がリアルに登場する機会を設け、自分の行動に落とし込んでもらうようなコメントを掲載するようにする。

3、経営方針に関わる施策や最新の会社情報を発信する。

 

例3:サービスC社

《発行目的》

1、13年目以下の若手社員のモチベーション向上

 

《発行目的の背景》

外見の華やかさに憧れて入社した新入社員が、業務の想像以上の過酷さから離職するケースが増加していた。離職率の高い3年目以下(20~30代)の若手社員をターゲットに、仕事に向き合う姿勢など社員のモチベーションを高めるような企画に注力した。

 

《編集方針》

1、より多くの若手社員を取り上げ、社員の仕事にかける想いを発信する。

2、トップの想いを伝わりやすくするために双方向のコミュニケーションを大事にし、社員からの質疑応答なども取り上げる。

3、写真を効果的に使い、若手社員が手に取って開きたくなるスタイリッシュなデザインの冊子にする。

 

一般的な事例については以下の記事で紹介しているので合わせてご参照ください。

社内報の目的

目的の定め方

それでは実際に発行目的を定めてみましょう。目的制定後も、上司や関係者とディスカッションを重ね、目的を磨き上げ続けることは欠かしていけません。

 

〈目的決定への3ステップ〉

 

大目的:会社の中長期ビジョン「働き方改革を実践する会社になる」

中目的:会社の年度目標「年内の有給取得率を80%にする」

小目的:社内報の発行目的「新たな制度を周知し利用を促す」

 

発行目的を決める際は、大きな視点(大目的)から小さな視点(小目的)へと段階的に落とし込んでいきましょう。社内報の発行目的(小目的)を設定する前に、大目的と小目的の間に、会社の年度目標などを「中目的」として設定しましょう。そして会社の方針とズレがないように、小目的へと落とし込みます。この小目的こそが、社内報の「発行目的」となります。

 

また、慣習的に社内報の発行を続けている企業では、「この社内報は、本当に企業の成長に役立っているのか?」という大目的の視点で、常に見直しを行います

 

ここで重要なことは、発行目的を自分の言葉で語れるようになることです。担当者様がしっかりと発行目的を理解できていなければ、他の人に理解してもらうことはできません。

 

逆に発行目的を明確にすると、社内報における企画作成や社員の巻き込み力が大きく変わってきます。社内報のファンを増やすことが期待できます。企画や取材、稟議などの工程に目的意識を持って取り組むことができ、より楽しく仕事ができるようになるでしょう。

 

〈目的を考えるにあたっての4つの切り口〉

  • 1自社と自社を取り巻く環境から考える

社内報の発行目的を決めるためには「経営者の視点」が必要です。社内報に求められる役割は一時的な情報提供ではなく、企業が社会で存続しつづけるための社内広報を行うツールだからです。

 

「経営者の視点」で考える一番の近道は、「経営者の視点」を持っている社長に尋ねること。直接尋ねることができれば一番いいですが、まずは普段から社長や経営陣がよく口にすることをまとめてみましょう。

 

  • 2社内の組織課題から考える

多くの会社が抱える組織課題の原因は、「コミュニケーション不足」。つまり、多くの問題はコミュニケーションの活性化というアプローチで、解決できるということです。

 

全員が自分の持ち場に精を出しているなか、コミュニケーションロスによって時間・モノ・お金などの資産の無駄が発生している例など、いくつか思い浮かぶのではないでしょうか。コミュニケーションロスをなくすために社内報ができることはないか?という視点で考えてみるのも発行目的を考える方法の一つです。

 

  • 3「何をやりたいか」から考える

「こんな社内報を作りたい」という視点を加えることで、社内報担当者様自身が社内報を楽しみながら発行できます。また、「こんな社内報があったらいいのに」という直感の背景には、誰もが何となく感じている組織課題が隠れていることもあります。 「想い」や「直感」を大事にして楽しく社内報を作りましょう。

 

  • 4トップダウンか、ボトムアップか

社内報は経営者のためにあるのか、それとも社員のためにあるのか。どちらよりにつくるべきなのかで悩むこともあるかもしれません。しかし、雑誌ならば読者が好きな雑誌を自らお金を払って購入して読みますが、社内報は会社が費用を出してつくるものであり、根本的に、社内PRのための媒体です。

 

ただ、経営ツールとして作っても、全く読まれないようでは意味がありません。そこで大切なのは「自社が繁栄していくために、大切なことを選んで、社員に伝える」という考え方です。すべてを堅苦しい記事にする必要はないのです。例えば、同僚が元気に働く姿を社内報で見てモチベーションが上がる、会ったことのない別拠点の社員の顔・名前・仕事内容が分かり相談ができた、慶弔情報で帰属意識が高まった、など結果的に会社のためになることが、社内報だからこそ果たせる役割です。

経営ツールとして効果的に機能させるために、読者である社員にとって必要な情報、求めている情報を見極めて伝えていくことが重要なのです。

 

また、社内報の特徴として、トップダウンやボトムダウンといったタテのつながりだけではなく、人や組織のヨコ・ナナメのつながりを表現できるということがあります。代表的なものが、ほとんどの企業で実施されている企画である「部署紹介」。自社内の機能を社員一人一人に理解させる役割を持っています。

 

トップダウンの情報でも、編集にひと手間加えヨコのつながりを切り口にして伝えることで、堅苦しさをなくし、読みやすくする効果を狙った企画もよく見られます。

発行目的達成に向けた戦略を考える

年間発行回数や仕様などの戦略は、発行目的を達成する上で重要なカギを握っています。実際に紙社内報の発行回数と仕様を決めるために、以下の4つの順で考えていきましょう。

 

①冊子の発行回数を検討する

1.発行目的から考える

 

紙社内報の発行目的から、発行回数を検討してみましょう。

例)

・「経営情報の伝達」ということであれば、情報が一定以上にまとまりやすい四半期ペースでの発行がよいでしょう。

・「インナーコミュニケーション活性化」であれば、社員同士で知る機会が増えれば増えるほど効果が期待できるため、毎月ペースなど高頻度での発行を目指したいところです。

 

2.読者ターゲットへの影響から考える

社内報でターゲットとしている読者層や、社風によっても理想的な発行回数は変わってきます。

例)

・メインターゲットが課長職以上など、役職者に向けた経営情報の発信を考えている場合は、タイムリーに情報が伝えられるとその分現場への落とし込みが期待できるため、発行回数を増やしていきたいところです。

・一般社員を含む全ての社員をターゲットにする場合は、あまり発行回数が多いと敬遠されてしまう恐れがありますので、控えめにしてみることも考える必要があります。

 

 

②冊子の仕様を検討する

1.形状(サイズ)

まず、皆さんが悩まれるところで言うと「形状(サイズ)」です。オーソドックスなのはA4サイズの紙社内報ですが、小さめのB5サイズやA4サイズで発行する企業も少なくありません。むしろ、女性が多い企業ですと、カバンに入れやすいということで、小さいサイズが好まれる傾向にあります。

 

逆に、「タブロイド型」「新聞型」の大きなサイズで展開する場合もあります。また、A4サイズを少しカットして正方形の冊子にするなど、形状の違いで、他の冊子物とすみ分けをすることも。各所から冊子やDMなどが届く場合に、社内報だと一目で分かって手に取ってもらうためには形状(サイズ)の工夫は有効です。

 

2.ページ数

マット紙、コート紙、どちらも使われますが、写真の写りが良く、蛍光灯の反射がしづらく読みやすいマット紙が好まれる傾向にあります。フリーペーパーのような軽い冊子にしたければ薄い用紙を、持ち帰ったり保存したりすることを想定してしっかりとした冊子にしたければ厚い用紙を選択しましょう。

 

特別感を演出するために、一般的な用紙ではなく特殊紙が選ばれる場合もありますが、価格が大きく異なりますので、費用対効果を検討しましょう。

 

3.用紙

マット紙、コート紙、どちらも使われますが、写真の写りが良く、蛍光灯の反射がしづらく読みやすいマット紙が好まれる傾向にあります。フリーペーパーのような軽い冊子にしたければ薄い用紙を、持ち帰ったり保存したりすることを想定してしっかりとした冊子にしたければ厚い用紙を選択しましょう。

 

特別感を演出するために、一般的な用紙ではなく特殊紙が選ばれる場合もありますが、価格が大きく異なりますので、費用対効果を検討しましょう。

 

4.製本加工

製本とは、冊子状にするための加工のことですが、大きく2種類に分けられます。簡単にいうと、ホチキスを使うか使わないか。折り目をホチキスで綴じる「中綴じ」という製本加工が一般的ですが、食品系や精密機器メーカーなど、ホチキスの使用を禁止している企業では、のり付けで綴じる「無線綴じ」という綴じ方が好まれます。また、「中綴じ」にはページ数の制限もあるため、40~50ページを超える際には「無線綴じ」をおすすめします。

 

 

③Web メディアとのすみ分け

紙以外の社内広報媒体として、Webや社内 SNS などのメディアを活用している場合には、互いの強みを生かす発行頻度、あるいはコンテンツについて考える必要があります。Web メディアは紙社内報と比べ、タイムリーな情報伝達能力で高い優位性を持ちます。簡潔かつ逐一伝達すべき情報の発信は Web メディアに任せ、紙社内報は頻度をやや落とす代わりに、経営情報や重要プロジェクトの裏側など、社員にしっかりと理解してもらいたい情報について深掘りしていくなどの運用がおすすめです。

 

〈配布方法を検討する〉

社内での配布に関しては、会社によってさまざまな手段が取られています。

 

For 社内

例)

・拠点や部署別に冊子を発送した後、各責任者が社員のデスクに置いたり、直接手渡したりする方法。

・上司から部下へ渡すと決めることで、社員間のコミュニケーションツールとして活用する方法。

・食堂や休憩スペースといった共有スペースに置き、各自が持っていく方法。この場合は各自の名前シールを社内報に貼るなどして、持っていかれずに残ってしまうという事態を防ぐ策を講じましょう。

・給与明細と一緒に渡す、自宅に郵送する、個人ボックスに毎号同じ日に配布する方法。社内報の認知が低いという課題を抱える会社では、この手法によって社員の記憶に残りやすくなり、改善を図ることが出来ます。

 

自社の状況に適した配布方法を選び、徹底しなければ、読者である社員に社内報が届かないということになりかねません。社内報が段ボールも開封されないまま放置されている…、といった事態にならないよう注意しましょう。

 

For 社外

社内報は社員にだけ配られるものではなく、企業によって取引先・お客様・オーナー・家族・OBといった社員以外の方々に配っている場合もあります。社外への配布には以下のような目的・活用方法があります。

例)

取引先:部署紹介や環境への取り組みを掲載し、PRツールにする

アルバイトやオーナー:普段の仕事に使える情報を掲載し、本部への求心力を高める

新入社員の親:会社の概要や働き方について知ってもらい、親元を離れた社員の家族に安心してもらう

家族:仕事や会社のよさを知り、理解してもらう

求職者や内定者:会社の業務内容や雰囲気・風土を知ってもらう

 

 

④担当者リソースと予算を検討する

現実的な制約として、社内報担当者様の時間的な制約 (制作チームの人数、他の業務との兼ね合いなど) や、予算が存在します。

年々、社内広報に割かれるリソースは減少している傾向にあるようです。

理想とする社内広報に近付けられそうにない場合は、社内報制作協力会社に協力を投げかけてみるのも一つの手かもしれません。

 

会社の状況に応じて発行頻度や仕様を吟味し、より読んでもらえるような発行回数、タイミング、仕様を考えましょう。

 

社内報コンサルタントからのワンポイントアドバイス

社内報は予備の冊子を含め、少し多めに印刷することが多いです。

余りの冊子は普段使用する「業務用」と、会社の歴史や記録などを振り返る際に使用する「保管用」として、最低2部を手元に置いておくことをお勧めします。

社内報の顔である表紙やタイトルを決める

〈表紙を検討する〉

表紙のデザインは社内報の顔となる大切なものであるため、その社内報で伝えたいテーマを感じられるものが望ましいでしょう。例えば「経営方針の浸透」であれば、重点施策や新事業にまつわる製品や施設でグラフィックを制作したり、「コミュニケーションの活性化」ならばさまざまな拠点・部署の社員の写真を収集して掲載したり…。テーマに対して無数の表現を考えることができるため、アイデアを無限に広げていくことができます。

 

雑誌は表紙によって売れ行きが左右されるといいますが、社内報でもその重要性は変わりません。読者が手に持って「かっこいい!」「おしゃれ!」「役立ちそう!」と愛着を持って受け入れられるものになれば、それだけ手に取る読者の数も増えていきます。

 

ここでは、「惹き付けられる」表紙作りのヒントを紹介します。

 

〈表紙の基本パターン〉

1.特集と連動させる場合

ビジネス冊子で多用される手法で、特集のテーマを一枚のグラフィックで表現するものです。冊子を手に取られる方に、その号の目玉企画が一目で伝わることを狙って作られます。画像購入サイトから写真を選んだり、特集に出てくる方の写真を合成したり、イラストを用いたり、フィギュアを組み立てたり…と表現はさまざま。大胆なビジュアルを描く着想力や、チープな仕上がりにならないようにデザインのディテールを仕上げていく力など、編集・デザインする側にも力が求められてくる案です。

 

2.目次として使用する場合

誌面内の各企画で使用している主要画像と、コーナータイトルをセットで掲載し、目次代わりに表紙を使用する案です。掲載内容が一目で分かることが特徴です。興味を持った企画から開いて読み始めることができるため、社内報を開いてもらいやすくなります。

 

3.中の企画と連動させる場合(事業・部署紹介など)

定例コーナーで連載している事業部・部署紹介ページの一部として表紙を使用する案です。一般的には集合写真や、事業・製品の写真やイラストを表紙として使用します。表紙は多くの方の注目を集めるだけに、掲載されることは非常に喜ばれ、誇りにもつながります。特に部の関係者の方は驚かれ、ページを必ず開いていただけるでしょう。定例コーナーの取材の際に、表紙の撮影まで済ませてしまえば、表紙と定例コーナーを同時に進められるメリットもあります。

 

4.表紙を企画として使用する場合

表紙を企画の一つのコーナーとして使う方法です。特に多いスタイルが一つのテーマに対して複数人に答えてもらう形式。「スキーが好きな方(冬号)」「母の日には何をあげますか?」「○○の資格を持っている方」などと季節感や共通点があるもの、また理念や経営方針に絡めて「自社らしさとは?」「私の〇〇年行動宣言!」などの切り口もよいでしょう。

 

〈タイトルを検討する〉

皆さんは自社の社内報のタイトルの由来をご存知ですか?媒体を読者に認知される上でも大切なものです。ここもこだわりたいですね。タイトルの付け方は大きく分けて以下の3種類があります。

 

1.社名に由来するもの

「日本ビジネスアート株式会社」ならば「ビジネスアート」「ビジネスアート通信」、語呂が悪いなら頭文字をとって「BA-TIMES」「N-press」など。

 

2.社内報の発行目的に由来するもの

例えば発行目的が「社内報で社員のつながりを強化する」ならば、「ネットワーク」「つながり」「With You」など。「部門の壁を越えた連携」ならば、「バトン」「ハーモニー」などが考えられます。

 

3.社員の公募によるもの

社員の社内報への参画意識を高めるために、事務局や読者からタイトルを募集する場合もあります。社内報事務局で素案をある程度絞ってから、社員に投票をしてもらう。もしくは社員から募った案を事務局で選んだり、場合によっては社長が選んだりして決定します。

 

いずれにしても、つい口ずさみたくなるような、言いやすいものが望ましいです。また、ロゴのデザインにもこだわりましょう。オリジナルのフォントでロゴ化したり、創業者の手書き文字をそのままタイトルにしたりしている会社も。ロゴとしてきちんとデザインすることで、視覚的印象を強くすることができます。

 

〈表紙やタイトルの変更時期〉

創刊時や復刊時に考えるのはもちろんのこと、発行目的が変わる場合や社内報をリニューアルするときに変更することもあります。新しい発行目的に沿ったものにアップデートするとともに、読者や経営層の社内報へのイメージを一新させるためです。

 

一方で社内報の発行刊数が多く、歴史が長いメディアの場合は要注意。長く続いたものほど読者の認知度も高いため、リニューアルをすることで別の冊子だと思われないよう、変えるべきタイミングは慎重に見極めましょう。

 

表紙やタイトルは社内報の顔ともいえるほど重要な要素です。社内報を印象付けるものですので、社内報の発行目的をしっかりと意識し、読者からの興味・関心を生み出せるように工夫しましょう。

まとめ

毎回社内報を担当していると、ルーティンになり本来の目的を見失ってしまうことがあると思います。しかし、社内報は資金をかけてその分の成果を出す必要があるビジネスです。どんな目的を設定して社内報を制作するのかは、担当者の方の永遠の課題かと思います。今回紹介した視点を用いて、改めて自社の社内報の目的を考えてみてはいかがでしょうか。

 

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