2020年8月28日 制作の流れを知りたい 2140 views
2-5.印刷
印刷の重要性
社内報の作成においては「印刷」も重要な工程になります。印刷そのものは基本的に印刷会社が担う工程ですが、社内報制作において、印刷の工程や種類を知ることは冊子の価値を高め、より良い社内報に近づけるための第一歩です。色の発色・紙の種類・厚さなどを、自社のコンセプトと照らし合わせて、自社に適切な印刷を選びましょう。
「立体物」の作品としての社内報
社内報は、実際に形になって社員の手に渡る本です。社員に手に取ってもらい、しっかり読んでもらい、情報を伝えることが目的になります。読者の興味を引くためには「立体物」の作品として作り込むことが大切です。
印刷の工程
まずは印刷から納品までの工程を紹介します。
- 1色校正(印刷実物と近い印刷物で仕上がりの色 を確認する)
- 2本校了(制作会社に印刷承諾を出す)
- 3下版(印刷の「版」を出す)
- 4印刷(発行物数分を一度に刷る)
- 5製本(冊子に仕上げる)
- 6発送(運輸会社に依頼して発送する)
- 7納品(最終的に手元に届く)
※色見本…印刷したときの色味を確認するための見本のこと
実際は、このうち、3以降の作業は印刷会社が行うため、直接担当者様が関わる必要はありませんが、印刷会社から相談される場合もあるので、そのようなステップがあるということは覚えておきましょう。
1と2は担当者様が直接関わる仕事です。1の色校正は色見本を確認すること、2の本校了は内容に誤りがないかの最終チェックです。
この色校正は、具体的なイメージをつかみにくいと思うので、詳しく紹介します。
色校正
色校正は、色の発色を確認するために行う作業です。そもそも、紙の種類や印刷のインクによって同じ「色」でも色味に違いが出てしまいます。同様にパソコンのモニターも、種類によって色の見え方が異なります。印刷原稿のPDFをモニターで確認したときと、実際に印刷したときでは同じ発色になるとは限らないということです。基本的には大きな問題にはならないのですが、以下の3つの要素の取り扱いにおいては特に色のチェックが重要になります。写真全体が暗すぎないか、明るすぎないか、顔の色が不自然ではないか、正しい色味であるかをしっかり確認しましょう。
- 1社長や役員などの人物写真
- 2自社商品
- 3社内・社外のロゴや商標
社内報コンサルタントからのワンポイントアドバイス
色校正で使う色見本は、実際に印刷したときのイメージに近いように印刷されたものですが、必ずしも発行した誌面と全く同じ発色にはなりません。気になることがあれば印刷会社に相談してみましょう。
紙選びのノウハウ
印刷で使用する紙では、主に種類と厚さを選ぶ必要があります。簡単にそれぞれの特徴を説明していきます。
1.紙の種類
社内報の印刷に使用される紙には主に以下の3種類があります。
用紙 | 良い特長 | 懸念点 |
コート紙 | 光沢があり、写真やデザインの見栄えがよくなる | 蛍光灯などの光の反射で読みにくいことも |
マット紙 | 光沢がなく、落ち着いた印象。光の反射が少ないため読みやすく。社内報での利用率は高い | よく使われる用紙のため、他の媒体と代わり映えしない |
上質紙 | コピー用紙のようにザラザラとした手触りがある。「温かみ」を演出できる | コピー用紙のように、安価な印象に感じられることも |
これらの紙は、どれも利点が異なるため自社のイメージに沿ったものを選びましょう。
2.紙の厚さ
次に紙の厚さを選びましょう。紙の厚さはキロ(K)が単位となっています。
専門用語になりますが、主に社内報では (数字の小さいものが薄く、大きなものが厚くなります)
一般的に、ページ数の少ない12p以下の社内報では110kといった厚手の用紙が、16p以上の社内報では90kの用紙が使われることが多いです。また、しっかりとした保管しておきたいものにしたい場合は厚手を、フリーペーパーのようにお手軽に手に取って読んでもらいたい場合は薄手の用紙を採用するなど、冊子として持たせたい印象によって用紙を検討することもポイントです。
まとめ
社内報制作において、印刷の工程や種類を知ることは、冊子の価値を高め、より良い社内報に近づけるための第一歩です。色の発色、紙の種類・厚さを、自社のコンセプトと照らし合わせて、適切な印刷方法を選びましょう!